こんにちは。行政書士の田巻です。

今回は、相続人の一人に未成年がいる場合の遺産分割協議について説明します。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、かみ砕いた言い方をしますと、未成年(20歳未満)は権利や義務の発生する書類に署名押印が自分ではできません。

今後この年齢が成人年齢の改定などで、18歳以上ならOKとなるかもしれませんが、現在のところ、未成年には遺産分割協議書に署名押印できません。

これは、社会経験の少ない未成年者がトラブルなどに巻き込まれないように、あるいは、判断能力が未熟なので法律行為ができないように国がいわば親御さんの立場で保護したものです

遺産分割協議でいえば、もし15歳の子がいたとして、この子が署名押印ができるとするならば、親が「あなたの面倒は私がすべてこれからもみるのだから、あなたの取り分は無いようにする。ここに署名押印してくれればそれでいいから」と言われた場合、子としては署名押印してしまうでしょう。

そのようなことが起きないように遺産分割協議書に限らず、未成年者は原則として権利義務の発生する書面に署名押印することはできないのです。(ちなみに、遺言は15歳以上なら可能です。)

本題に戻り、遺産分割協議をする必要があるとき、未成年者が相続人の一人にいる場合、どうするかというと「特別代理人選任の申し立て」ということを近くの家庭裁判所に提出します。決定が出るのに1か月くらいかかることもあります。

特別代理人選任の申し立てをする際に必要となるのは、相続人がだれであるかをしめす戸籍一式と、どのくらい故人が財産があるのかを示す資料と、遺産分割協議書案というものを要求されます。

そもそも財産をある程度正確に調査しないと故人の財産額がわからないため、財産調査に時間を要し、戸籍が集まるまでにも時間を要しますので、特別代理人選任申立てを出すまでにも1か月くらい通常はかかります。

そのようないくつかの手続きを経る必要があるため、相続人に一人でも未成年がいる場合には、とても相続手続きが完結するまでに時間がかかります。目安としては、通常の相続手続きに加え2か月くらい長くかかると考えてよいと思います。

特別代理人選任の申立てという名前がついていますが、実際には、だれが特別代理人になるかではなく、どのくらい遺産を未成年の子に残すかが大事です。

未成年の子に原則として法定相続分を残すような遺産分割協議書案でないと、家庭裁判所が特別代理人選任の申立てを認めないことがあります。

実際、特別代理人となる方は、とくに厳しい制限はされておらず、未成年の子のおじいちゃんとかおばさんとかで構いません。

特別代理人に選任された方は、未成年者の相続人に代わって遺産分割協議書に「〇〇の特別代理人」という立場で署名押印します。

当事務所ではこのような未成年の相続人がいるようなケースでも柔軟に迅速に対応いたします。もし、お困りの方がいらっしゃいましたら、お電話でご相談ください。