こんにちは。今日は遺産分割協議のときによく出てくる相続の放棄

ということについて、検討します。

相続放棄とは、家庭裁判所に正式に相続放棄の申述をして、

プラスの財産もマイナスの財産も放棄するという形式的な相続放棄(民法915条)

のやり方と、

遺産分割協議書に相続する財産がないことを示して実質的に相続放棄する

やり方があります。

どちらが良い悪いではないのですが、実質的な相続放棄

を採用するのが通常です。

ブログに掲載させていたのですが、遺産分割は必ずしも法定相続割合

(民法900条に記載がございます)

(法定相続分)
第900条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、3分の2とし、直系尊属の相続分は、3分の1とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。

家庭裁判所にする形式的な相続放棄は、「相続人が自己のために相続の

開始をがあったことを知ったときから3か月以内」に申述する必要があります。

メリットとしては、亡くなった方に借金が多額にあった場合に、マイナスの財産も

放棄できるということです。

ところが、お客様宅に訪問していて、例えば長男が「私は相続放棄をしたいと思います」と

いわれる方の真意としては、

自分はプラスの財産はいらない母に全部帰属でいいですという趣旨でいわれる

方がほとんどです。

その場合には、実質的放棄といって、遺産分割協議書内で、長男に遺産が

帰属せず、長男以外の相続人である配偶者(長男の母)に財産が帰属することを

示せばそれで足ります。

ただし、注意点としては、実質的相続放棄は、マイナスの財産までは放棄でき

ないということです。

プラスの財産を放棄していたとしてもマイナスの財産があった場合には、

法定相続分で相続してしまします。

したがって、まとめると亡くなった方が多額の借金があって、相続人のだれかが

代わりに払えないような額の場合には、形式的な家庭裁判所への申述

をする相続放棄(民法915条)をし、借金などマイナス財産がないあるいは、

借金はあるが、簡単に相続人の一人が返済できるような額の借金であるという

場合には、実質的な相続放棄をするということがよいでしょう。

(相続の承認又は放棄をすべき期間)
第915条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
《改正》平16法147
2 相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。